野菜中心の食生活はタンパク質不足?菜食で摂れる良質プロテインとは?

野菜不足をおぎなう一番の近道は、栄養価の高い植物性食品をえらぶことです。
できれば、市販の加工された食品より、素材そのもので購入して調理するのが理想的です。
なぜなら、現代の日本人は野菜を食べる量がとても不足しています。
そのうえ、大量の農薬や化学肥料をつかって生産された野菜には、望むような栄養価が期待できないのです。
つまり、野菜を少し食べたくらいでは、あなたの健康にさほど貢献できないということです。
そこで今回は、ベジタリアン目線でからもおススメできる、菜食の良いところを取り入れた、「相性の良い食べ合わせ」を紹介したいと思います。
肉や魚でタンパク質を摂ろうとした時のデメリットも紹介しています。
今回は野菜不足とタンパク質不足をカバーする食べ合わせの紹介です。
誰にとっても大切なタンパク質!!
たんぱく質は、炭水化物、脂質と共に三大栄養素のひとつです。
全ての動物および植物の細胞を構成する主要な成分であり、生体乾燥重量の約50%を占めます。
筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分、豆・卵・肉・魚などの食品成分として重要であり、生命の維持に欠くことができないものです。
出典 厚生労働省
タンパク質不足で体調不良になることも
かたらのあらゆる箇所をつくっているタンパク質が不足すると、髪のトラブルやスキンケアに影響が出るだけでありません。
免疫が低下するなど、からだのあらゆるところ、機能に悪影響をもたらします。
雑食も菜食も目的は同じ。必要な栄養素を摂ること
供給源として、肉や魚、玉子などの動物性タンパク質が代表的です。
野菜をはじめとした植物性を主に食べる菜食・ベジタリアンにとってもタンパク質を十分に摂る重要性は変わりません。
「植物性の食材のみで・・・」というだけで、健康的なイメージを思い浮かべたりしますが、正しい認識を持って、タンパク質をはじめとした栄養を十分に摂れるよう気をつける必要があります。
エイジングケアに有利!!
植物性の食材が有利なのは・・・
・食物繊維や発酵食品を摂ることで・・・腸活
・ビタミン類とポリフェノールを摂ることで・・・抗酸化
・食物繊維やミネラルを摂ることで・・・デトックス
が可能になります!
とくに、日本は食の西洋化が進んでから食物繊維を摂る量が激減しています。意識して摂りましょう!
肉や魚を食べることのデメリット
牛肉のアミノ酸スコアが100(満点)でも、デメリットが悪さをします。
家畜に与える抗生物質、成長ホルモンのほか、エサにふくまれる農薬、化学肥料・・・エサそのものが遺伝子組み換え作物の場合もあります。
これら危険な物質は生物濃縮をくり返し、最後はヒトにたどり着きます。
生物濃縮とは・・・
生物濃縮では、食物連鎖の上位に位置する「高次消費者」ほど、高濃度(自然状態の数千倍から数千万倍)の濃縮が起こり、その生物の許容限度を超えた摂取量となって健康被害が発生する可能性が高くなる。
実際に、生物濃縮により人間の健康被害が生じた事例としては、有機水銀中毒による水俣病などが知られている。
出典 国立環境研究所
現代の日本で最悪の化学物質は放射性物質です。他の化学物質と同じように生物濃縮されます。
さらに、家畜から出るゲップやおなら等のメタンガスは大量に排出されていてco2などよりも地球温暖化の直接の原因になっているとか・・・
無視できない乳製品のデメリット
生物濃縮のもう一つのルートが牛乳やチーズ、ヨーグルトといった乳製品。
アメリカでは 食肉牛にも、その成長を促す3種類の天然ホルモン、3種類の合成ホルモン、合計6種類のホルモン使用が 許可されており、ほとんどの牛に 投与されている。(オーストラリアでは5種類、カナダでは3種類、日本では4種類が認可されており、EUでは一切認められていない。)
出典 リュウマのパパ
生理学博士の久間英一郎博士は、カルシウムをおぎなうには牛乳より日本の伝統食が良いと指摘しています。
ヨーグルトを食べたくなったら、豆乳でつくったヨーグルトがおススメです!
栄養面から考えるストレスフリーの食べ合わせ
「野菜たっぷりの食生活をしてみよう!」となったときに考えるのが、動物性のものを食べなくして、肉や魚の代わりに野菜の量を増やすこと、だと思います。
もちろんファーストステップとしてはとても良いことです。
それに加えて、タンパク質が多く含まれている食材を選ぶことで、「今日のランチは菜食で」といった選択肢を持てるようになります。
必須アミノ酸をおぎなう菜食
画像引用元 ウエスト動物病院
植物性タンパク質の代表的な存在になっている大豆はアミノ酸スコアも高いのですが、含硫アミノ酸(SAA)が不足しています。
SAAをおぎなうには、オーツ麦(えん麦)と併せて食べるなど工夫が必要です。
オーツ麦はリジンが不足していますが、大豆がフォローしています。
タンパク質1gあたり(mg) | えん麦 | 大豆 |
---|---|---|
イソロイシン | 48 | 52 |
ロイシン | 89 | 89 |
リジン | 51 | 73 |
含硫アミノ酸(SAA) | 63 | 34 |
芳香族アミノ酸(AAA) | 100 | 100 |
トレオニン | 39 | 47 |
トリプトファン | 17 | 15 |
パリン | 65 | 55 |
ヒスチジン | 29 | 31 |
出典 日本食品標準成分表2015年版
1つ1つのアミノ酸の働きをみて、そのアミノ酸ばかり摂りたくなることもあるでしょうが、特定のアミノ酸を多量に摂取するよりも、一番少ないアミノ酸を補って全体のバランスを底上げする摂取法の方が、結果的にそれぞれのアミノ酸は役割を果たせます。
出典 タンパク質
オシャレなベジフードも楽しめる!!
豆類+穀類は植物性タンパク質の上手な摂取法です。
豆乳にオーツ麦、ドライフルーツなどを入れて一晩おいただけで「オーバーナイトオーツ」と呼ばれているヘルシーフードがつくれます。
好みのフレッシュフルーツをトッピングする、シナモンやココアでフレーバーをつけるなど、自由度が高い食べ方ですよ!
モデルのミランダ・カーさんがよく食べていることで注目されたアボカド。
ビタミンC、K、短鎖脂肪酸が豊富に含まれていることから、美容に良いとされています。
しかし、アミノ酸スコアを見るとタンパク質が十分でないのも特徴のひとつ。
美容に良いからという理由でアボカドを多めに、主食を控えめにした食事を長く続けると、タンパク質が不足する場合もあります。
ふだんは「大豆やエンドウ豆と、穀類のような高タンパクな食材と一緒に食べる」といった工夫をして、植物性だけでもタンパク質を十分に摂れる環境を整えておきましょう。
そうすると、アボカドのように美容に良いくだものや野菜をたっぷり摂れるようになり、エイジングケアに役立つでしょう。
タンパク源として食べやすい豆類
肉や魚に代わるタンパク源になってくれる代表的な食材といえば、豆類。
一般的な野菜をくらべてタンパク質が圧倒的に多く含まれているので、プチ菜食の大切なタンパク源になってくれます。
インドの豆カレー「ダール」はとってもおいしいですよ!
タンパク質含有量が多い植物性の食品は?
大豆食品は、どれも高タンパクです。
豆腐
高野豆腐
納豆
テンペ
その他の豆類も高タンパクです。
枝豆
エンドウ豆
インゲン
ソラマメ
レンズ豆
黒豆
あずき
穀物では・・・
キヌア
オーツ麦
あわ(精白粒)
菜食レシピをつくる時は、これらの食材をタンパク源にして摂り入れることがおススメです!!
「豆類+穀類」とおぼえておくとイメージしやすいですよ!
大豆の食べすぎには注意が必要
高タンパクの大豆はビタミンやミネラルの含有量が多いのも特徴のひとつです。
ビタミンB1、ビタミンE、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅など・・・栄養素の種類がとても豊富で、豆腐や納豆などの伝統食は日本人の食事に欠かせません。
大豆にはフィチン酸という物質も含まれています。
デトックスのはたらきがあり、有害な物質をからだの外へ排出してくれるのですが、摂りすぎると体内のミネラルを排出してしまうくらい、そのはたらきが強いんです。
大豆を発酵させて食べよう!!
大豆を発酵処理させることでフィチン酸が減少して、安全な栄養源になります。
日本人は味噌や納豆など伝統的にすぐれた大豆食品を多く摂ってきました。
そのほかにも、豆乳を発酵させたヨーグルトは乳酸菌の含有量が、をつかったヨーグルトよりもはるかに多いのが特徴の一つです。
ナッツ類も高タンパク
これまで紹介してきた豆類のほかに、ナッツ類にも多くのタンパク質が含まれています。
代表的なものは・・・
・くるみ
・落花生
・アーモンド
・カシューナッツ
・ピスタチオ
これらナッツ類には、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいるものも多いので、菜食で脂肪酸が不足してしまう心配もありません。
また、落花生には(オリーブオイルに多く含まれる)オイレン酸がとても豊富に含まれています。
ヒトのタンパク質摂取量は?
タンパク質の豊富な食品をどれくらい摂ればよいのでしょうか?
人間が一日に必要なタンパク質の目安は、体重1kgあたり、1グラムで計算できます。
もし、あなたの体重が50kgの場合、50グラムのタンパク質が必要になる計算です。
年齢・性別による必要なタンパク質は?
厚生労働省が勧めている目安量も載せておくので参照してください。
画像引用元 厚生労働省
納豆を毎日7パック分
この50gのタンパク質を、高タンパクの納豆に当てはめてみると・・・
1パック約50gにタンパク質が約8g含まれているので、1日で約7パック食べることになります。
もし、1日3食として、納豆だけでタンパク質を摂ろうとした場合、一食あたり納豆2パックを食べると、目安量に届くことになります。
1食で10gほどのタンパク質をプラスして
実際には、お米などの主食、野菜や豆類、穀類など、ほとんどすべての食材に含まれているので、1日あたり2パックほどのタンパク質を摂るイメージを持ちましょう。
納豆で例えましたが、豆類+穀類で十分に摂れるので、納豆が苦手でも安心してくださいね。
まとめ
今回は、今より野菜と栄養を多く摂りたいと考えている人に向けて、野菜とタンパク質の不足を同時にカバーできる食べ合わせを紹介してきました。
これではじめて相性の良い食べ合わせを知った人でも、はっきりとしたイメージを持ってはじめられるのではと思います。
また、後半ではタンパク質の摂取量も紹介しました。
現在の食事にタンパク質が足りていないようであれば、必要な摂取量をプラスしてくださいね。
豆類+穀類を使いこなせれば、ふつうの食事以上に、野菜不足とタンパク質の不足をおぎなえる優れた食べ方です。
ぜひ、もとめる結果につながるレシピを作ってたのしい食生活につなげてくださいね!!
あなたは、無農薬野菜にもデメリットがあるというウワサを見たり聞いたりしたことがありますか?
実は「農薬は無農薬より安心できる」というのです。
栄養面から考えてもいちばん理想的なのは、無農薬で栽培された有機野菜のはずなのに・・・野菜を摂ることの大切さを意識している人ほど気になるウワサではないでしょうか?
次の記事では、無農薬と農薬にまつわるウワサの真相を解明しているので、つづけて読んでください。